東京バーベキュー ~歩くひと、佇むひと~

 
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05
 
Zoshigaya Kishimojin in Late Night

宿坂から神田川に出て、江戸川橋に到着。
高揚していた気分もようやく静まり、さあて、お楽しみの時間だ。
で、三名が三名、示し合わせたように半蔵門線の構内に潜っていく。
どこで呑もうか、近場ならあそこやあそこというのはあるけど、
雑司ヶ谷が夏祭りという状況であれば、セカンドチョイスは池袋しかない。
という暗黙の了解が生まれていた。

俺としては「ふくろ」なのだけど、ふっきー氏の提案で「千登利」に向かう。
もちろん異存はない。

その間、甲斐みのりさんに乙女っぽくない質問をした。
「このへんでいい飲み屋はありますか?」
「雑司ヶ谷はわからないけど、千登里というお店が
 池袋にあります。私大好きなんです」


こんなふうに、ふっきー氏が甲斐みのりさんから直接聞き出したお店なのだから、
ここはひとつ乗っかってみるしかないでしょ。

池袋駅からロサ会館までほどよく歩いて、隣りが目的のお店。
のれんをくぐると煉瓦っぽい内装に置く前続く長いカウンター。
かろうじて開いていた一番手前のカウンターに陣取り、さっそく生ビール。
ほぼ名物に近いであろう牛肉豆腐。
ぐびぐび呑み、がつがつ食う。
あっというまに酔いがまわる。
すかさず「やきとん」追加。

Chidori

やきとんのお店というと、俺の場合、煙もくもくをデフォルトにしてしまうのだけど、
ここはそういうのと違って、清潔、かつおしゃれ。
実際、店内にはカップル、それから場所柄か、観光客とおぼしき外国人の姿もちらほら。
それでいて観光名物的な上っ面さはないのであって、
さすが池袋闇市時代から続くお店だと納得し、
なるほど乙女のまちあるきなのだと関心する。
ホッピー。
それと、野菜、漬け物も。
ここはサッポロ赤星を出すと聞いていたのだけど、すっかり失念。
まあいいか、それは次回のお楽しみ。

ここ千登利は創業昭和24(1949)年。
その当時の地図を見るとこんなかんじ。

Ikebukuro in 1949

赤いマークが現在の千登利にほぼ相当する。都電荒川線、荒川線に接続する駅前から延び荒川線につながる都電、その都電が走る広い一直線の道路、周囲には東京拘置所、立教大学...。これだけじゃイメージわきにくいなというわけで、以下、池袋の町の変化を地図を頼りに探ってみることにする。


Ikebukuro in 1919

手始めはこれ、1919(大正8)年の池袋。東京の省電が中野→東京→品川→上野で「の」の字運転を始めたのがこの年。「ろくぶけい」と右書きで書かれたその左上が池袋村。池袋はまだ谷端川(図左上)の川岸にある小さな村でしかない。周辺から察するに、春日通り・川越街道が池袋と東京との主要アクセスだったのに、現山手線の敷設で道が通りにくくなっちゃって、なんだか不便になりました。ま、駅は村はずれに出来たんだけど...そんなかんじ。

サンシャイン60の建つ旧東京拘置所は当時は巣鴨監獄と呼ばれていた。1895年の設置までさかのぼれるこの監獄、護国寺の杜の裏にあり、護国されるべき土地から追いやられた者どもを寄せる場所、というのは深読みし過ぎか。

池袋西口に建つ学校は東京府豊島師範学校、1909(明治42)年の設立で、ここは現在、池袋西口公園になってる。ちなみに、池袋西口の南側に等高線が張り出していて凹地になってる箇所がある。ここが弦巻川の水源で、池袋の名前の発祥なのだという。立教大学(1922年創立)はまだない。

町並らしきものが出来てるのは、護国寺脇から巣鴨監獄へ向かう春日通り・坂下通りと、高田村一帯。坂下通りは午前中に歩いた。高田村の中心は、現不忍通りと目白通りの交差点から宿坂辺りまででの南斜面を上がり切った辺りで、鬼子母神へは、神田川を渡り高田村を抜けていく鎌倉道がメインアクセス。現在を生きる俺の場合、鬼子母神は池袋で呑んだ勢いでふらっといてみる場所なのだけど、
池袋も雑司ヶ谷も当時はそういう関係ではなさげ。

Ikebukuro in 1932

次、1932(昭和7)年の池袋。この年、東京市15区に周辺町村群を統合し、35区制になる。いわゆる大東京市。池袋と都心も町並みが連続しつつあるけど、池袋の中心は駅前ではなく未だ旧池袋村。一番の繁華街(?)は常磐通りで、これは春日通り(川越街道)から池袋に至るかつてのメインアクセスだった道。それが山手線で遮断され、逆に、駅東口の鎌倉道が栄えるという構図になってる。

東口駅前から護国寺方面へまっすぐに延びる道が計画されてる。震災復興の一環でもあるこの一直線の道路が整備されるのはしばらく後のこと。現西武百貨店の前身、菊屋デパートの出店はこの翌年なので、まだ地図には現れていない。

Ikebukuro in 1946

池袋の繁華街が闇市発祥だとは広く認知されてることだけど、これは東京大空襲の被災図。1946(昭和21)年の池袋、辺り一帯焼け野原。千登利誕生の風景でもある。グレー部分は、建物疎開により計画的に建築物を撤去した箇所で、池袋駅周辺とともに、常葉通り界隈が対象になってる。やはり常磐通りこそが町の中心であったのだ。現在の常葉通りが不自然に部分的に広幅員になってるのはこの建物疎開に由来してる。

Ikebukuro in 1956 Ikebukuro in 1960

ここは2つの地図を並べてみる。左は1956(昭和31)で、右は1960(昭和35)の区分地図。時代的には「もはや戦後ではない」と経済白書がマニフェストしたのが1956年。1959(昭和34)の皇太子(現天皇)御成婚を機にテレビが爆発的に普及し、白黒テレビと冷蔵庫と洗濯機が「神器」になる、そういう時代。そういうえば芝の元祖東京タワーが竣工したのもこの時期だったはずだ。

東京でいうと、戦後乱立した闇市・露点を大規模に撤去したのが1951(昭和26)、売春防止法で赤線が廃止になるのが1956(昭和31)。ただし池袋に関しては、闇市のバラック繁華街が駅前で堂々と駅業を続けていて、それこそが池袋の風景であり続けた。都電が廃止され首都高が整備されるのは1964(昭和39)年が契機だから、この2枚の区分地図は、東京の生活が本格的に変化し始めるも、風景は戦後のそれを色濃く残す、そういう時代の地図ということになる。

1956年の地図には、はっきりと「トッケーマ」と書かれている。その豊島通りの向かい側には三菱・住友を始めとする銀行の地図記号がずらりと並び、池袋の町全体を映画館が占拠したかのよう。国鉄の駅、駅前の焼け野原という広大な空地、ターミナル駅に乗り入れる郊外住宅の人々、それらの相乗効果こそ池袋の風景だったはずなのだ。

ゆえに池袋は巨大な凹なのである。


その西口の風景は、西口公園・メトロポリタンホテルなど一連の再開発が行われるまで、
つまりつい最近まで残っていたはずだ。
改札を過ぎ駅前に出ると、そこに整備された駅前広場などはなく、
目の前には乱雑で込み入っているけど、
妙にスキマ感だらけの風ばかり吹き抜けるバラックの町。
そんな記憶は俺にも確かに残っている。
子供の頃、高密なのにスキマだらけという感覚が好きで、
電車に乗ってこの町を何度も見に行っていた。
お酒を呑むようになってからも、
池袋にわざわざ出かけて呑んでいたのはその記憶のせいかもしれない。

公共という名の道路と民の財産である宅地、
二つが明確に区分されているのでなく、
どちらでもない虚ろな平面に、
ぱらぱらと、なんとも無造作に建造物を撒いてみました。
それが俺にとっての池袋なのだった。

いろんなことが重なり合ってくる。
地図を見るとはそういうことなのだ。

1960年尾地図には、千登利ともう一軒、「ふくろ」の場所をマークしておいた。
ふくろはその気になれば朝7時から呑める、
しかも8日に行けば料理半額のお店で、
ひとりで入っても全然気にならないという貴重なお店。

《追記:雑司ヶ谷について》

冒頭の写真は、祭りが終わった後の雑司ヶ谷鬼子母神。
この日は千登利で呑んでから、
祭りの余韻を確かめめにもう一度鬼子母神まで行って、
それからまた池袋に戻ってきて、ふくろで呑んだ。
池袋という町は、常に凹の場所であって、
いつも何かが高いところから流れ込んでくるような町であったように思う。
そんな中にあって、雑司ヶ谷と池袋は、これまで、つかず離れずの距離感を保ってきた。
それは、都心との距離感だったり、インフラの通り具合がそうさせていたのだけど、
都電荒川線の沿道が整備されて、そのルートは池袋からつながっていて、
今度は、池袋から雑司ヶ谷に向かって何かが流れ込む、そういうことになる気がする。
雑司ヶ谷鬼子母神前のまちづくり的なお店はそんな状況を受けた流れのひとつだろうし、
今回、甲斐みのりさんと歩いた「乙女のまちあるき」自体も、そもそもリブロ池袋の企画だった。
つまり、凸となった池袋が都電の沿道を介して、雑司ヶ谷に迫ってきた、その流れのひとつなのだ。
だからどうだという気はさらさらないのでけど、
雑司ヶ谷が池袋の郊外になってしまうのか、そうでない何かになっていくのか興味ある。

都電荒川線沿道には何が出来るのだろう、
モスバーガーとローソンとプロントとピザハットなのか、
そうでない何かなのだろうか。
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Tag : 千登利 ふくろ 
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