東京バーベキュー ~歩くひと、佇むひと~

 
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06
 
水神社の由来

普段はこういったものに一切関心ないのだけど、中川の堤防にへばりつくように建つ神社があって、そこから用水路らしき跡が陸に向かい伸びている、さて、(仮)用水路の先にはどんな景色があるのだろう、そんなシチュエーションから興味を持ち、後日、改めて読もうとシャッター切った。

「由来」で興味深い部分を抜き出してみる。

・享保15年(1730)、鎮守川端諏訪神社の末寺として勘請
・当初から中川河畔にあった。
・御利益は、潅漑用水の守護と作物運搬の航路安全
・高度成長期、中川汚染と地盤沈下により水没の危機
・昭和49年、100mほど西南の堤外へ奉還
・昭和63年、再度、当地に奉還


おそらくこの場所は最初に勘請された場所にほど近いのだ、そして、あの緑道は用水路の名残なのだ、勝手に納得する。

享保ということは、八代将軍吉宗の頃、江戸前期から中期に差しかかろうかという時代だ。水神社が勘請されるほんの数年前、享保7年に、幕府は新田開発の高札を出している。当時の幕府は財政赤字に悩んでおり、農地開発による年貢収入を当て込んでのこと。民活による東京東部の低湿地開発の号令というわけである。さらに享保14年、現在の葛飾区水元に小合溜井(溜め池)を開削し、江戸川と中川の間の低湿地(ここは東立石から見て中川の向こう岸に当たる)の用水路設置と干拓を行っている。葛西用水の工事が行なわれたのもこの時代だ。そういう大開発時代、ケインズ政策バリバリの頃、この水神社も勘請されたことになる。おそらく水神社とそこから延びる緑道は、川端村(現東立石)開村の歴史と重なっているに違いない。

川端村の農作物は、中川を下り、中川番所から小名木川へ入り、江戸の河岸へ持ち込まれた。その運搬船は、江戸から帰還する際には肥料として大量の糞尿を持ち帰ってきた。水神社は、中川河畔でも比較的水はけの良い自然堤防状の場所に建てられたのだろう。それは、中川から川端村へのささやかなランドマークであった。

以前、ふっきー氏のblogで、中川の水面に浮かぶ鳥居の写真を見た記憶がある。そのときは、随分とロマンティックな情景のつもりで眺めていたのだけど、「由来」にある「石の祠と鳥居が水没」した姿なのかもしれない。

堤外に移された水神社が、再びこの地に戻ってきた(?)のは昭和63年のことだという。そのとき、土手はどんな形状だったのだろうか。もともと、半円形状の杜が堤防に張り付いていたのだろうか。それとも、この場所に水神社を移すに当たって、そのような形に築土したのだろうか。児童公園というのは、そのための便法だったのかもしれない。

江戸時代、川が主役の時代の風景、名所図会が書きとめる中川、そこからもこぼれ落ちてしまうようなささやかな風景がある。それこそ、通俗的な葛飾下町バンザイ論でない、リアルな葛飾の原風景だと思ってる。それを知りたくていろ思いを巡らしてみたけど、なんだか、とりとめのない話になってしまった。

さて、
中川河畔から水神社の脇を抜け、
用水路づたいに、
その先へ進もう。
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06
 
水神社の主ども

水神社前の名も無き児童公園に常駐している猫ども。
前述のエントリ、2枚目の写真にも写っている。

この猫ども、こういっちゃなんだけどずいぶんと態度がでかい。
カメラを持ち出し、構図を決めようとしていると、間に割り込んでくる。
割り込むだけでなく、目の前でごろんと寝やがる。

水神社の主ども2

カメラにおさめようとすると、当方をガン見する。
絶対に視線をはずさない。

水神社の主ども3

木の幹の二股に陣取り、午睡を決め込む。
しつこくシャッターを向けると、追い払おうとする。

水神社の主ども4

「いいかげん、よしなさいって!、しつこい。」
完全に、上から目線。

近所の猫だろう。
考えてみるまでもなく、こちらは一見さんであり、上から目線で当然なんである。
リスペクト込めて、猫「ども」と呼ばせてもらうことにした。
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06
 
水神社、紫陽花の小径。

堤防の神社から神社からつづく小径。
紫陽花が似合う。
ここにはこざっぱりとした湿気がある。

この小径、もとは農業用水路だったと独り合点してみる。それが、神社に合わせてか児童公園の整備に後追いしてなのか、ともかくそういうった理由で、歩行者道・緑道として再活用されているのだろう。

親水という言葉。

用水路や小河川を埋め立て、暗渠にし、緑道に再生するというのはよくある話だ。隅田川などもカミソリ堤防を改造して都市景観的になにやらいじくるというのもやっている。けど、僕はあまり好まない。耐え難いほどに退屈だ。どこもかしこも健康で文化的で気にくわない。水は生き残っていても、あくまでさらさらとした水で、背景はさわやかな初夏の日だったりする。

最初に歩きまわった王子の親水公園がそうだった。行き場所に困った僕は、音無橋のアーチ型橋脚の下に潜り込んだ。そして、湿気を感じて、和んだのだった。

どこもかしこも、湿気は見事に駆逐されている。そのような場所にも、うわべだけの水は存在している。けれども、水の匂いは感じられない。そんなことは今も一貫して行なわれているし、ますますひどくなっている。もし、貴兄がそれを疑うなら、カミソリ堤防と親水テラスを、東京近郊のドブのような水路と都市景観的とかいって評価される緑道を、歩き比べてみればよい。

水の匂いが感じられたとして、それが不健康で非文化的な生活というわけではあるまい。

ここは、緑道にも名もなき児童公園にも湿気が充満している。
それがなによりもよい。
紫陽花が綺麗なのがその証明だ。

神社とそこにつづく緑道、全体のロケーションはこうなってる。
多少説明的になってしまうが、以下、当日の雰囲気を。

水神社、土手の傍らの湿った場所。

児童公園から神社方向を見た一枚。
児童公園は土手から半円形に盛り上がるようにへばりついている。
シャッターを押した場所は、土手道と同じ高さ。

水神社から小径がつづく。

神社脇から土手下を望む。
斜路の先に、緑でおおわれた小径が見える。
斜路は車いす用だろうか、鉄製の手摺がついている。
土手の下は東立石、かつては川端という名の町。

水神社の小径、水路跡か。

小径をすすむ。
写真右手は土地が高くなっている。
写真正面が中川の方角になる。

水神社の小径、水路跡か2。

ここまで来ると地形がはっきり感じられる。
高台は中川がつくった自然堤防の名残だろう。
その脇を揺らぐように流れる小径からは水の気配を感じる。

水神社、小径の入口。

小径の先には「水神社参道」の文字。
やはり「水」なのだ。
それにしても、応接用のソファ、一脚。
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