東京バーベキュー ~歩くひと、佇むひと~

高架橋のトラスと、ホームの屋根を支える鉄の柱がつくる縦のリズムが、
背筋をしゃきっとのばしたシャクトリムシみたい。
お隣りの御茶ノ水駅が駅舎建築の名作として知られているのに比べ、
こちら水道橋駅はなんとも地味な扱い。
けど、ここもまたよい。
いあ、なんとなく心地よいなと昔から思ってはいたんだけど、
こういう風にファインダ越しにズームで眺めて、あらためて納得した。
この時代の駅には、
屋根を支える鉄の柱に、レールを流用しているものが多い。
ここ水道橋駅もそう。
駅の前が広い街路で、その街路があるおかげで、
駅が断面として視界に入ってくる。
で、そのレール材のリズムと曲線が視線を引きつける。
風景をつくる重要さという点で、
土木構造物の占める割合は、建築物以上ではないかしらん。
つまり、現代の東京とは?を一言で云うと、
「まーるいみどりの山手線、まんなか通るは中央線」だということ。
まあ、水道橋駅に中央線は止まらないんだけどね。

この日は8月15日。
で、8月15日のありきたりの風景。

いやあなんとも暑そうで、ごくろうさまと思いながら、
目的地の神保町に向かって急ぎ足。