歩くひと。佇むひと。

2007/11/05 (Mon) 当たり外れのないルートを決める。

散歩ルートの比較

 めったに読まない「散歩の達人」という雑誌を立ち読みして、ご推薦の散歩コースを見たけどなんかイメージ湧かない。この前のまちあるきで「ちい散歩ってすごくない?」ということになって、内心同じこと思ってた僕は、やっぱ注目するものは同じだなあとびっくりし、納得したので、その「ちい散歩」のコースをトレースしてみた。

 ひとつ前のエントリのGoogleMapに書き入れたグリーンのラインが、散歩の達人&ちい散歩のコース。でもって、上に張りつけたのが、それぞれの見どころ紹介ポイント。どれも最低限のツボは押さえてる気がする。逆にいえば、どれを参考にしても似たり寄ったりだし、こういうのはさくっと見て、深く突っ込まないでよしとしちゃえばいい。で、ふたたび、ちいちいなんだけど...

 ちいちい、しつこく三回も行ってる。ちいちい、一般的な名所旧跡コースをはずれて、どんどん町の奥に行っちゃうのね。そして、一見何もない方角にそれていくのは、まちあるきとして正解だと断言したい。すげえよ、ちいちい。

 知らない町を歩くにあたってとにかく目星をつけておきたい...、ということなら、ちい散歩でいいんじゃないかと思った。ちい散歩に関しては、「これ」と「これ」もあわせておすすめ。

深川、半纏の似合う橋の町。【江東:日本橋浜町〜深川、門前仲町〜南砂町】 | trackback(0) | comment(0) |


2007/11/05 (Mon) 深川、半纏の似合う橋の町


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 自分の中で、門前仲町・深川・木場というのは、整然とした街区に整然とした街路、そこに3〜5階建てのビルが建っていて、ビルの合間に名所旧跡が点在してるというもの。入り組んだ路地があるわけでもなし、朝からおっさん連中が酒飲んでるわけでもなし、いたる所が江戸の景色というわけでもなし、なんとなく捉えどころがない。

 もう昔のことだけど、江東区生まれの女の子と辺りをデートしたことがある。「芭蕉庵」という松尾芭蕉ゆかりの建物があって、小名木川を渡ると「清澄庭園」があって、二人でよく散歩した。小名木川は、江戸幕府が行徳辺りでつくった塩や、銚子や野田でつくった醤油や、日本海産の海産物や、それから米を江戸に運び込むために海岸線そいに掘った運河で、だから、ここから先は海だったというわけ。門前仲町の商店街や深川の縁日にも顔を出した。たしか、隅田川の花火大会にも一緒に行った記憶がある。始めて見る門前仲町の商店街は僕にはちょっと意外なものに映った。

 とにかく道が広くて、整備されてて、どこまでもまっすぐなのだ。道と言う言葉より、街路という言葉を使った方が景色をイメージしやすい。並んでいるお店も、僕の想像する商店街とは違ってた。うちのほうだと、商店なんてその日暮らしの延長みたいなもので、なんとか一年やって、「暑くなりましたねえ」と」挨拶して、「寒くなりましたねえ」と挨拶して、「ようやく大晦日ですねえ」、「来年も無事で過ごせますように」となる。道も、狭い、広いの差はあるものの、途中で変な風に折れ曲がっていたり、ゆるやかにカーブしていて、見通しがよくない。門前仲町の商店街は、全然そうじゃないように見えた。「道」でない「街路」に整然と並ぶお店はどこも堂々とした門構えで、その日暮らしというより経営という言葉が似合う気がした。そんな印象が僕には、どことなく、よそよそしさを感じてしまったのだろう。

 商店街というのは、寺院の門前や、市場の外側だったりに、出来るものだ。向島「鳩の街商店街」の先っぽで、「鳩の町」の名残を見つけて「そうだったのか!」と驚いたのだけど、それもまた普通の商店街の姿だと思う。この辺りもかつては須崎という赤線があった。もっともそれは根津の遊郭が帝大近くにあるのは風紀上よろしくない移転せよといういささか身勝手な事件が発端なのだけど。それから、深川の辰巳芸者というのも、北の吉原、辰巳(南東)の深川と言うくらい名の通ったものだった。けど、その香りは残っているのだろうか。

 深川というのは、海辺に近いので大名の別宅とか多かったけど、元々は漁師町だった。江戸時代は、潮が満ちると海に沈み、潮が引くと地面が顔を出すような場所だったらしい。その地面には当時の生活ゴミである割れた茶碗とかが辺り一面見えたのだろう。

 隣の木場という町は材木商の町で、その材木商は江戸築城に貢献してここに住むのを許された。辰巳芸者は、吉原のような全国区の金持ちやお上りさんを相手にするのではなく、気性の荒い地元の漁師や材木商を相手にしていた。だから、気っ風が良くてちゃきちゃきしてた。芸者なんだけど男物の羽織を着てた。木場の入札は一流の料理屋で開かれた。そういうのを相手にするのが辰巳芸者。だから、通好み、粋。極彩色で豪華絢爛じゃなくて、藍色に利休ねずみ。吉原みたいに野暮ったくない、という自負を持ってるのが辰巳芸者。元祖江戸っ子というのは神田・日本橋辺りだけど、「べらぼうめ。こちとら江戸っ子でぃ。宵越しの銭はもたねえん」は、深川・木場辺りが元祖じゃないかしらん。

 突風のなか、川沿いを散歩してたら、「橋を渡れば、日本橋浜町よ。」と彼女が口走った。夕涼みの隅田川で聞く、その言葉のリズムがかっこ良いなと、風が見せてくれるスカートの中の白い布切れを眼に焼きつけながら、僕は思ったのだった。

《TKO_BBQ vol.06 エントリ一覧》

01.深川、半纏の似合う川の町
02.当たり外れのないルートを決める。
03.浜町という名の日本橋。
04.浜町公園、都市勤労者の公園。
05.浜町の隅田川。
06.新大橋から見る清洲橋。
07.森下界隈。
08.深川神明宮の神輿の絵。
09.芭蕉、隅田川を見つめる。
10.萬年橋に佇む。
11.清澄の門。
12.清澄庭園を一周する。
13.清澄モダン。
14.人を見るのが心地よい街路。
15.公園の中の川の痕跡。
16.亀久橋の虫たち。
17.川の際ということ。
18.揺らぐ首都高。
19.富岡八幡宮のジャンクと七五三。
20.伊能忠敬。
21.深川不動堂、草履と背景。
22.辰巳新道という路地。
23.小料理屋とランドセル。
24.川のある町。
25.TAMIYA
26.橋の意匠。
27.the river
28.洲崎の影。
29.窓。
30.砂町銀座、町の奥行きを思う。

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  6. 荒川沿いの人工風景。【墨田区、江戸川区:八広〜平井】 (4)
  7. 深川、半纏の似合う橋の町。【江東:日本橋浜町〜深川、門前仲町〜南砂町】 (30)
  8. 立石をモツ焼きの風が吹く。【葛飾:立石】 (56)
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