カーブした階段状の小径を真っ白にして、土の見えるも真っ白にして、建物も真っ白くして漆喰仕上げにして、緑を取っ払ったら、たぶん地中海の小島。あるいは、小径に煉瓦を敷き詰めて、建物を石造りにして、赤・黄・青・緑・金色のアクセントをつけたら、台湾やマレーシアの華僑居住地区。気づきにくいけど、ここ、濃密な空間で居心地の良い坂道だね。
前回は、三平坂を突っ切り、一目散に通り過ぎてしまった感があった。それで、今回はこういう坂の路地に入ってみたというわけ。斜面下からまっすぐゆっくり登り坂が始まるのだけど、ちょっと先で急になる辺りから、まっすぐな小径が曲がりくねっていく。その先は行き止まりだったり、場合によっては、もののみごとに狭い崖の隙間を抜けて台地の上にたどり着ける。たいていは行き止まり。
急斜面に立つ住宅には、びっくりするくらい奇麗な庭を持ってるお宅があった。敷地内斜面下側に住宅があって、斜面上側が庭になってる。住宅の1階は庭に面してずーっと縁側が張ってあって、そこから庭が見られる。縁側の真正面は崖の急斜面で、その岩肌から湧き水が滲み出してる。湧き水は斜面をつたって庭の小さな池に流れてく。池の周りには苔が生えてたり。そういうの。
東京のこんなところにこういう住い方をしてる場所があるってのは驚きだし、もしかしたら、これって山の手居住の原風景に違いないと、そんなこと思った。
個人宅の敷地内だから写真撮るの遠慮したけど、それはまあしようがない。
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