東京バーベキュー ~歩くひと、佇むひと~

 
--
 
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
    --:-- | Top
 
14
 
 Motomachi_Park_1

御茶ノ水駅から東京医科歯科大で折れ、神田川沿い、順天堂大学の前を過ぎたあたり、駿河台の台地がはっきりと下り坂になるあたり、こんもりとした木々の下に、ヨーロッパ風のこてこてとした壁が見えてくる。台地の斜面、その壁に向かってのびる階段は、壁の前でふたつに分かれる。周囲を気にも留めず通りすぎるだけの人には、古びた洋館の廃墟と思っているかもしれない。そんな一角。

 Motomachi_Park_2

外堀通り、歩道から見えるのは、こんな風景。前面の印象は、ルネッサンスのようであり、帝国ホテルのライトのようでもある。たぶん、いろんな印象が頭をよぎるけど、そのどれもが廃墟趣味のごとし。

元町公園は、昭和5年、関東大震災の復興計画としてつくられた。復興計画では、ウォーターフロントの墨田公園、ビジネス街のホワイトカラー向けの浜町公園(ここは以前歩いた)、工場街の工員向けの錦糸公園が三大大規模公園として有名だけど、それより小振りの小公園、より町に密着した小公園が数多く計画されていた。元町公園はそのひとつ。そして、当時の形が少なからず残っているのは、ここだけらしい。隣接する小学校跡地と合わせ、再開発ビル建設の計画があったはずだが、どうなったのだろう。

 Motomachi_Park_4

入口の階段、壁の前で二つに分かれた先には、どちらの側にも、外堀通りに向かって張り出すように露檀が設けてある。神田川の眺望を明確に意識しているのが伝わってくる。

 Motomachi_Park_5

アーチ模様の壁。そこはかとなく死の臭いを感じてしまうのは、厳格な左右対称の壁の中央が、水の枯れた壁泉のせいに違いない。

 Motomachi_Park_8

壁泉。

 Motomachi_Park_3

二つに分かれた先の階段。階段には見事なつくりの水の流れ(カスケードというらしい)が設けられている。このカスケードも枯れている。

その裏側には、これまた見事な水飲み台。ここから湧いた水で手を洗い、のどを湿し、余った水は階段のカスケードへ零れていく...

 Motomachi_Park_6

ここを訪れたのは何年ぶりだろうか。以前はあったレトロな水飲み台が見当たらないのは、老朽化して壊されてしまったのかな。やたらとかっこいい滑り台とか、いくつか見てまわりたいところだけど、今日は疲れた。ベンチに座って、本を読み始める。いい加減暑いのだけど、それでも外堀通りのアスファルトとは段違いの涼しさ。8/15のお約束、街宣車の喧噪はもう聞こえてこない。地元の人がのんびり昼寝してる。

 Motomachi_Park_7

...『滝山コミューン一九七四』を読め読めとしつこく薦められたのは、数年前、友人と酒を飲みへべれけになったときのことだ。いろいろ町を歩いて、東京はどんどん変わっていくなあという話が、いつしか、地域コミュニティを操作するってのは結構やばいんじゃないのという話題に展開し、そこで『滝山コミューン一九七四』が出てきたのだった(はずだ)。

東京郊外の団地とそこに併設された小学校、その均質的な空間で、学級集団づくりというのが行なわれる。生徒は班に所属し、学校というコミュニティを舞台に、班が闘争し、全体が呼応し、次第に強い『力』を自覚したコミューンが形成される。そんな内容だと教えられた。この件ずっと忘れていたのだけど、最近、郊外ばかり歩いていたこともあり、ひょんなことで、そのことを思い出したのだ。東北大震災後のコミュニティ再建が気になっていたというのもあるかもしれない。

で、ググって見ると、この本、文庫化されていた。それで、今日は文庫版『滝山コミューン一九七四』を入手するというのが主な目的というわけ。で、本はあっさり入手できた。家に帰ってゆっくり読めばよいのだけど、学校・コミュニティ・地域、、、とキーワードを脳内に並べてみたら、ここ、元町公園のことを思い出したというわけ。

元町公園に話を戻そう...

帝都復興院は3つの大公園と52ヶ所の小公園がつくられた。大公園は東京府、小公園は東京市の施行になる。小公園の一番の特徴は、そのほとんどすべて、小学校に隣接してつくられたことだ。用地確保の容易さ、校庭と公園の併用という合理性、プラクティカルにはそのような理由から、このような案が採用されたのだろう。

完成した近代的な学校公園は、地域の中心に置かれ、庶民は朝起きると、歯ブラシとタオルを持って公園に向かい、水道とトイレを使って、パーゴラの下で憩った』のだという。町の『サロン』といったところだ。

で、常々、気になっていたのは、公園にあるパーゴラ。たしかにパーゴラなのだけど、大抵、地面から一団高くなっていて、公園全体から見渡せる場所にあったりする。これ、完全に舞台、ステージだよね。地域コミュニティらしきものを想定していたことは間違いないにしても、その舞台とは具体的に何だったのか、例えば都市計画の本を漁ってみてもいまいち判然としない。今で云うまちづくりや市民集会ではないだろう。一糸乱れぬラジオ体操?、まさか。『隣組』が制度化されたのは、昭和15年のこと、52の小公園から10年も後のことだ。

そういえば、滝山コミューンに登場する『班(Team)』というのも軍事用語だったはずだ。滝山コミューンだけでなく、まちづくりの場面でも班分けはよく登場する。大抵、『班』とは呼ばず、グループと呼んだりりする。

パーゴラの下のサロン、隣組、あるいは班、あるいは細胞。
コミューンとコミュニティって?
パーゴラ下のステージでは、誰が何を演説するのだろう?
街宣車の去った8/15の小公園、パーゴラ脇のベンチに座って、本を読みはじめた。
(本の感想は、いつか、ここに書くつもり。)

《追記》

このエントリを書いてから、公園開設当時の辺りの風景はどんな感じだったのだろうと、気になりだした。それで、いろいろググって見たら、以下のサイトに出合った。

逸見 享「本郷元町公園」: Clocks & Clouds
夜の街の明かりのシルエットと、画面を斜めに横切る坂道と神田川の石垣が黒々と背景にあり、その前に公園の階段を上る帽子をかぶった紳士とパーゴラの円柱が浮かび上がっている。あたりはかなり暗いはずだが、左手に薄ぼんやりと頼りなさげに街灯の明かりが点っている。公園の隅の柱には石が貼ってあり、モダンな様子がうかがえる。この薄暗い公園の階段を上る紳士の寂しさの漂う姿と川の向こうに見える街の明かりの輝きは、江戸や明治から完全に隔絶された昭和初期の都市生活風景を鮮やかに切り出して見せている。


江戸や明治から完全に隔絶された昭和初期の都市生活風景、、、僕自身、昭和初期の都市生活風景をうまく想像できないままでいるのだけど、これって、東京のいたるところに潜んでいるのかもしれない。東京を歩くとき大切な視点のように思いはじめてる。

《さらに追記》

Clocks & Clouds』って、どこかで目にしたワードだなあと、薄ぼんやり感じてたんだけど、あっ、以前トラバいただいたサイトではないか!。先の引用は、グーグル経由で見つけたんだけど、すごい偶然。ちょっとびっくり。
関連記事
    14:43 | Top
最近の写真
www.flickr.com
This is a Flickr badge showing public photos and videos from tko_bbq. Make your own badge here.
最近、行ったところ
まとめ
Archive Map is Here.
Katsushika+100 is Here.
過去ログ
コメント
トラックバック
検索
歩くひと

tko_bbq(あ)yahoo.co.jp

tko_bbq(あ)yahoo.co.jp

場所(整理中)

新小岩公園 高砂諏訪橋 平井 細田 リバーシティ 多摩センター 荒川放水路 T.Y.HARBOR_BREWERY 柴又 立石(旧赤線) 両国回向院 隅田湯 神田川 水元香取神社 国技館 千登利 待乳山聖天 逆井橋 九段下ビル 21 カフェこぐま 護国寺 青砥駅 小菅 三井アウトレットパーク多摩南大沢 浄閑寺(投げ込み寺) 三ノ輪アパート 深川不動堂 雑司ヶ谷弦巻通り 十条銀座商店街 竜泉 熊野商店街 柳橋 あらかわ遊園 南大沢 大島 水道橋 千住回向院 音無もみじ緑地 京島 聖橋 赤坂プリンスホテル新館 赤羽一番街 ふくろ 荒川 首切地蔵延命寺(小塚原刑場跡) 王子の森集合住宅 小松川神社 愛知屋 キラキラ橘商店街 金田 社会文化会館 雑司ヶ谷案内処 いろは会 東用水せせらぎ通り 奥戸街道 三河島朝鮮マーケット 寛(雑司ヶ谷) 小名木川 ハト屋(コッペパン) 満願稲荷 山谷 東立石水神社 パルテノン多摩 法真寺(赤羽) 白鬚防災団地 伝法院通り 三平坂 辰巳新道 洲崎緑道公園 隅田川神社 十条仲原 ボンドストリート 木場 都電もなか明美 南橋大橋(ちんちん山) 宝幢院前道しるべ 立石熊野神社 赤羽八幡神社 金町関所 小沢理容店 同潤会三ノ輪アパート 千本桜(神奈川県大和市) 東向島駅 多摩中央公園 富岡八幡宮 東立石緑地公園 両国 芭蕉庵 上平井水門 同潤会 南大沢輪舞歩道橋 小菅水再生センター 砂町銀座 江戸橋JCT 立石様 俎橋 古隅田川 東金町 赤羽西 品川富士 江戸川 直居アパート 東立石 浅草橋 東京駅 八広 御茶の水 平澤かまぼこ店 西井掘 小菅神社 新小岩ポンプ場跡 竪川河川敷公園 四季の路公園(京王堀之内) 旧米軍王子野戦病院 コリナス長池(京王堀之内) 吉原 白髭橋 三河島仲町商店街 立石仲見世 尾久 雑司が谷旧宣教師館 王子 王子装束稲荷 二毛作 音無さくら緑地 熊野神社(新宿) 水元さくら堤(桜土手) 日本堤 雑司ヶ谷鬼子母神 水元公園 八潮 今戸 赤羽台トンネル 勝ちどきマリーナ 小松川テクノタウン 三河島 十条富士見銀座 しちりん半 西ヶ原一里塚 豫園飯店 名主の滝公園 音無川親水公園 葛飾区 両国駅 東武鉄道隅田川橋梁(花川戸橋梁) 番所橋 扇屋 尾久の原公園 稲付公園 呑んべ横丁 戸ケ崎 サトリ珈琲店 三ノ輪橋 天王洲水門 町屋 浜前水門 新宿中央公園 神田川水神社 日光御成街道 稲荷公園 荒川自然公園(三河島水再生センター) 清澄長屋 鎌倉 日暮里 西井掘せせらぎ公園 東金町運動公園 東京スカイツリー 東陽 九段会館(旧軍人会館) 青戸 日本橋川 門前仲町 旧玉の井(東向島5丁目) 玉の井(墨田3丁目) 飛鳥山公園 さくら新道 金町 都電 和楽 梶原商店街 諏訪台通り 逆井庚申塚通り 赤羽 東京都慰霊堂 西町通り買い物通り(鐘ケ淵) 東墨田 酎ハイ通り(鐘ケ淵通り) 廿世紀浴場 今戸橋 新宿地下通路 まるます屋 鳳生寺 上下之割用水 丸健水産 鐘ケ淵駅前商店街 日本堤大林 押上 中川 高砂駅 大塚坂下町公園 新小岩 清水坂公園 京成本線 京成日暮里駅 中川番所跡 斉藤酒場 平久橋 旧小松川閘門 浅草松屋 ベネッセコーポレーション東京ビル 雑司ヶ谷電停 高砂 京成本線 亀戸 元町公園(文京区) サンストリート亀戸 向島 東日暮里 サンロード中の橋 たつみ橋 平久川 のらくろーど 吉原神社 中華そばターキー 浜町公園 荒川車庫 荒とよ 博多 神田川出入口 平賀源内墓 味とめ 雑司ヶ谷 天王洲アイル 浅草寺・浅草神社・二天門 パラティカインドネパールキッチン 東堀切 宮田ボクシングジム 江戸東京博物館 ルーサイト・ギャラリー 一葉記念館 御茶ノ水駅 堀切 奥戸 土手通り 亀戸中央公園 荒川ロックゲート 旧安田庭園 仲之橋(神田川) 昭和館 虹の大橋 水元 タカラトミー 浅草 勝ちどき橋 隅田川 福富川公園 カド 谷中初音小路 三郷 西日暮里 亀久橋 王子神社 隅田川駅 中央卸売市場築地市場 あっぷるロード 谷中 八幡堀水路跡 玉の井いろは通り 赤羽緑道公園 竪川水門 新金線 赤羽香取神社 南砂 コツ通り 森下 両国JCT 十条駅 普門院 立石 サンスクエア 奥戸天祖神社 新宿(葛飾区) 三菱製紙金町工場跡 日の丸酒場 倉井ストア 来集軒 鳩の街通り商店街 サンリオピューロランド 伊勢屋・中江 鷲神社 吹上稲荷神社 深川神明宮 萬年橋・新小名木川水門 醸造試験所跡地公園 鳥房 隅田キリスト教会 八王子セミナーハウス(大学セミナーハウス) ベルコリーヌ南大沢 青龍神社 ミツワ 品川浦 東大島駅鉄橋 新大橋 鶴見(神奈川県横浜市) 日本橋浜町 上川口屋 静勝寺 カフェ下ノ谷 證願寺 船方神社 吉原弁財天・吉原観音像 いこい 首都高 もみじ橋 真生寺坂 三ノ輪 鬼子母神通り商店街 白山堀公園 玉姫公園 水道橋駅 品川宿 千束稲荷神社 橋場 細田橋 亀戸餃子 神田神保町 清澄庭園 福田稲荷神社 品川インターシティ 大島百貨店 玉の井(墨田3丁目) 赤羽台団地 両国橋 大塚坂下通り 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。