東京バーベキュー ~歩くひと、佇むひと~

 
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奥戸、大正9年
「大正9年の奥戸。あえて周辺も含めて載せてみたよ」
「前回行った鎌倉と比較するとでかさがわかるな」

●用水路

「まず全体像から。中川左岸、北から南へ末広がりに延びてく5本のライン、わかるかな?。鎌倉新田から時計周りに、佐倉街道、小岩用水、東用水(東井掘)、中用水(仲井掘)、西用水(西井掘)だね」
「鎌倉歩いた時に、佐倉街道と小岩用水は見たな。それから、東用水も細田の時に見たわ。今回は、仲井掘と西井掘ってことか」
「これら用水路の源流は水元小合溜から流れる上下之割用水だね。水元公園の桜土手の手前のでかい釣り堀、あそこが上下之割用水の出発点になる。小岩用水が上下之割用水から分岐するのが新宿、その後、高砂で東用水が分岐する。でもって、奥戸と細田の境目くらいで仲井掘と西井掘が分かれる」
「西井掘、仲井掘は現在の地図で云うとどの辺りになるんだろ?」
「仲井掘と西井掘が分岐するのは現在の細田橋の辺りだね。西井掘は奥戸小の脇を通り、奥戸街道の変電所のところからサニーボールの前を南に進んでく。サニーボールの近くには西井掘公園にその名が残ってる。で、そのまままっすぐ。蔵前橋通りと平和橋通りの交差点のところに出る。あの辺りは親水公園になってる」
「仲井掘は?」
「細田橋辺りで始まる仲井掘は、しばらく新中川の川底を流れてから、八剱神社の脇を南下、環七と蔵前通りの立体交差のところに出てくる」
「仲井掘は新中川の川底なのか。ちょっと切ない話だな。川底じゃ、名残りがあるのか無いのかさえ確かめられないや」
「まあ、中川から西井掘、仲井掘を越えて東用水の手前辺りまでが、概ね奥戸の範囲ってことだね」
「やっぱりでかいわ」
「次、道路を見てみよう」

●奥戸街道

「主要道路と云えばやっぱり奥戸街道だな」
「元々の奥戸街道は、今より北を通ってる。立石から熊野神社・南蔵院を抜けて奥戸橋、奥戸橋からそのまま東へっていうのが元々のルート。細田を抜けて鎌倉をかすめ、東用水と交差する辺りでちょっと彎曲してるけど、ちょうどこそが愛国学園がある場所になる」
「この頃、奥戸橋はもう架かってたんだ」
「一つ前のエントリに載せた大正6年の地図では、まだ渡しのままになってるから、架橋はつい最近と云うことになる。立石・奥戸間は、3つの渡し舟があった。一番北は帝釈道から諏訪野へ渡るやつ、二番目が奥戸橋のところ、三番目が南蔵院の脇から南側の対岸へ渡るやつ。北のやつは廃止され、元来の奥戸街道の渡しは奥戸橋に、南対岸へ渡るやつは本奥戸橋が引き継いだ形になるね」

●集落

「新しく造った奥戸街道っていうと、何だかバイパス的なものをイメージしちゃうけど、その辺りも元々たくさんの人が住んでたんだな」
「今の奥戸街道、中川から西井掘、仲井掘、東用水の手前まで、集落が広がってるね。それから、元々の奥戸街道沿いにも集落が連なってる。この頃の村役場は、こっちの古い奥戸街道沿いにあったんだ。地図で○印が書いてある、今の三和橋の近くだね。この場所も新中川の底に沈んでしまった」
「町の産業インフラだった仲井掘も、村役場も川の底ってことか。うーむ...。これはまさに、とりとめがないわ」
「鎌倉新田が一点中心的にコンパクトにまとまっていたのとは対照的だね。奥戸は、ばらばらと繋がって、全体として大きな村になってる」
「その辺も、とらえどころのない理由なのかもなぁ。鎌倉新田はピンポイントで集落があって、集落の入口に鎮守の神様がいてという風に、とてもわかりやすい構造だったんだけど、奥戸はそういう風に把握するのが難しいわ」
「連なってる集落をひとつずつ見ていけば、鎌倉新田みたいな分かりやすさがあるのかもしれないけど...。ちなみに、旧奥戸新田の鎮守は、さっきも登場した八剱神社だね」

●集落と神社

「はっさく神社?」
「違う!。はっさくじゃなくて、やつるぎ!。罰が当るぞ、おまえ」
「いやいや、冗談だからさ、真に受けるなよ。八剱神社ってのは仲井掘の脇にあったんだよな。ってことは、やっぱりフレッシュな水の取り入れってことなのかな?」
「うーん、単純にそれだけとは言い切れないんじゃなかしら。奥戸新田は三河の国の杉浦小左衛門という人が開拓したということになってる。で、その杉浦さんが勧請したのが八剱神社。天文5年(1536)の創建だよ」
「ってことは、室町とか戦国時代の頃なのか。鉄砲が日本に伝わるより昔だ。江戸時代由来の新田開発なんて目じゃないってくらい古い話じゃないか...。そりゃ、町の構造も複雑になって当然だわ」
「さっきも云ったように、奥戸は複数の集落が繋がりあって出来てる。町の区域も膨大だし、だから、鎮守の神様もひとりじゃないのよ。スポーツセンター陸上競技場の隣に立ってる奥戸天祖神社だけど、あそこは旧奥戸村の鎮守様だよ」
「そこは昔、行ったことあるわ。やたらたくさんの神様がいて、めちゃくちゃぶっといしめ縄があったな」
「あの辺りは他にも興味深い神社があるよ。例えば、これも陸上競技場脇の水神社。ここは人柱伝説ってのがある」
「人柱?」
「享保の頃、幕府が中川の開削改良工事やったのね。なんでも人柱はその工事と関係あるらしい」
「なんか恐ええ!」

●水田

「奥戸村の集落から南西方向に曲がりくねった道・用水路が見えるけど、その道から南側はほぼ水田だね。この曲がりくねった道・用水路は、一部分は現在も確認できるよ。変電所の奥、妙厳寺わきのうねるような道路がその名残りだね」
「町の南側が見渡す限り水田だわ。っていうか、今の森永の工場がある場所も水田だったんだな」

●中川

「森永もそうだけど、中川沿いで一番の注目は、七曲りの湿地帯だね」
「今は総合スポーツセンターになってる」
「中川を舟で上ってくると、進行方向右手に巨大な湿地帯が見えてくる。左手に目を転じると、対照的に安定した地盤の土地が見えてくる。立石様は石を信仰してるけど、中川からの目線で考えると、立石様の存在意義ってのがはっきりとわかるよね」
「象徴的な、とてもシンボリックな目印ってことだな」
「ちなみに、奥戸の名の由来は、『奥の津』らしいんだけど、それも中川目線で考えると十分納得できる」
「それはよくわかるわ」

●地形

奥戸の地形
「じゃあ、大正9年の締めくくりに地形図を」
「茶色のところは自然堤防?、だったっけ?」
「まあ目立って高くなってる訳じゃないけど。どちらかといえば、水田で掘り下げて、宅地化でかさ上げしてっていうのを、あんまりやってない場所くらいの気持ちで眺めればいいと思うよ」
「確かに、古い方の奥戸街道も、今の奥戸街道も、どちらもその色に染まっってるわ。古くから人が住んでて、水田オンリーの使い方ではなかったってことだよな」
「うん。それと、八剱神社の辺りも茶色になってるね」
「鎮守様の居場所は茶色なんだ。これって鎌倉新田と同じだわ」
「高低差についてはどうだろう?」
「奥戸の辺りを0mのラインが走ってるわ。何となく、集落と水田の境界線に重なってる気がしないでもないわ」
「高度成長期の地盤沈下の影響が残ってるから、安易に判断は出来ないけど、高低差と水田利用の関係が見えてくるね」

●ここまでのまとめ

「ということで、大正9年の地図を元に、オリジナルの奥戸を眺めてみたんだけど、ちょっとは役にたったかな?」
「うーん...、どうだろうなぁ...。やっぱり漠然としすぎてるわ。少なくとも、これが奥戸です!って語れるところまでは行けてないな」
「うん。たぶん思うに、奥戸って複数形なんだと思うよ」
「複数形?」
「鎌倉の成分は単数形、でも、奥戸の成分は複数形ってことさ」
「なんだよそれ?」
「奥戸って複数の集落とか区域が連なりあって出来てる訳。でさ、これが鎌倉です!って理解の方法自体が、単数形に対する把握の仕方なのね。でも、奥戸は単数形じゃなくて、強いて云うと『奥戸s』になってるのよ。奥戸単品ひとつずつに対してなら、これが奥戸です!って言えるのかもしれない。例えば、鎌倉は緑です!っていうとするじゃない?、そういう風に奥戸を云おうとすると、奥戸は青です、奥戸は黄色です、奥戸は紫です...みたいなことになっちゃうと思うのよ。それを一言で言い切ろうとして、ごちゃ混ぜにすると、結局、灰色になっちゃうみたいなさ」
「でかい町の宿命だな、それって。たしかに、中川、用水路、古くからの集落と水田、そういう風に軸を設定して歩けば歩きやすいんだろうけど、それって、奥戸s(複数形)の一部分だもんな。なんかわかった気がしたけど、でもその例え方はいまいちだったよ」
「どういうこと?」
「単純にさ、鎮守様がひとりの町を歩く時と、複数の鎮守様がいる町では歩き方を変えましょうよ、ってことでいいんじゃね。複数の鎮守様がいる町なのに、鎮守様が一人しかいない心算で歩くなんて、歩くおまえがたわけ者!、ってことだな」
「なるほど、おまえ、珍しくうまいこと云ったな。それともうひとつ。今回はオリジナルな色に着目したんだけど、ここから大きく変化していくわけよ、奥戸ってさ。つうか、今も変化の真っ最中なんだけど。それで、次回はオリジナル奥戸s(複数形)がどう変化していったかを眺めてみることにしよう」
「げっ!、まだ続く...。だから、嫌な予感がすると...」
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Tag : 奥戸 
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